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一般社団法人 小山青年会議所

更新日:2012年01月03日11:07:12

2012年度理事長基本方針

理事長基本方針

  2011年3月11日午後2時46分、平穏なわれわれの日常に、それまでの行動や考え方を大きく変えてしまう歴史的な出来事がおこりました。そう、「東日本大震災」です。東北太平洋沖を震源としたこの大地震は、その大きな揺れによって大津波を引き起こし、沿岸に住む人々の多くの尊い生命(いのち)・財産を奪っていきました。さらにその津波は、原子力発電所の電力供給を遮断させ、原子力事故を引き起こし、放射性物質の放出という大事故に発展しました。連日様々なメディアで、福島県のみならず近隣の地域に対し、根拠が曖昧にもかかわらず、その安全性を否定するかのような報道が相次ぎ、我々には信頼のおける正確な情報が伝わらない現状です。そしてその影響は、東北地方を中心に日本国内にまたがり世界にまで広がりました。戦後最大の危機と評され、われわれに甚大なる被害をもたらしました。これからも長期にわたり深刻な影響を与え続けていくであろう、カタストロフィとも言えるこの震災は、物質的なものだけでなく、人の夢や希望といった価値観さえ奪い去ったのでしょうか。しかし、その一方で、その渦中にありながらも、各方面で着実に復興へ向け確かな兆しが見えつつあります。
家や財産を失っても互いを思いやり助け合う被災者の方々、空腹にもかかわらず整然と食事を分け合う避難所の様子、原発事故に対して危険をかえりみずに立ち向かう消防士や自衛官、各被災地で救命活動にあたった警察官や医療関係者、そして、続々と集うボランティアたち。被災地から伝えられる彼らの行動は、忍耐や規律、団結と互助、献身や自己犠牲という今日では軽んじられている日本人の誇りともいうべき精神が宿り、戦後の復興を成し遂げた人々の秘めたる力と未来への可能性を感じさせてくれました。かつて、戦後の混乱期に青年たちが「新日本の再建は我々青年の仕事である。」と志を掲げ青年会議所を設立し、次代の担い手として大きな責任を自覚しこの世界を築く推進力となってきたように、今この時代を生きるわれわれは、するべきことを見極め果敢に行動すべきでしょう。正確な情報さえも得られないような状況で、ただ一生懸命にがんばる人たちの姿は、難局に対して強靭さを示し、礼節を保ってお互いに助け合っていると賞讃されました。難局に動じず前進するその姿は、混沌とした社会の中で未知の可能性を表わし、この国難という状況を再生し創生するときだと示しているのではないでしょうか。
われわれJCは「明るい豊かな社会の実現」という大きな目標を掲げています。復興支援と共に、私たちが生活するこの地域においても絶えずJC運動を行いよりよいまちづくりに貢献していくことが責務です。JCが長らく必要とされてきたのも、その時々の課題に真摯に向き合い絶えず自分を磨きながら私たちの活動の本質とは何なのかを考え、Jayceeとして、JCとしてできること常に意識し、率先して活動してきたからです。「明るい豊かな社会の実現」へ向け、効果的に活動するには、正確な判断が必要です。しかしながら、常に正確な情報が得られるわけではありません。そして、地域においても多くの課題と向き合い決断をする私たちには、明確に判断できる知見を持ち、その上で誇りと覚悟ある行動力が求められます。青年会議所で学びえた知識と想像力を鍛えることで、如何なる場面においても正しい判断力と、力強い行動力を発揮することができる人間力を身につけられるでしょう。人と人が切磋琢磨しお互いに魂を磨きあうことで得られる絆は決断する勇気を与えてくれます。


『決断とは、目的を見失わない決心の維持にほかならない』
(米国34代大統領  ドワイト・D・アイゼンハワー)


わたしたちがわたしたちらしく運動を推進し続けましょう。経験則やルールに縛られて個人が組織に埋もれることなく、メンバー一人ひとりが個性を発揮し、何事にも恐れることなく挑戦していきましょう。そして、この仲間と出した決断をためらうことなく実行しようではありませんか。そうすればこそ、人の心を惹きつけ、衝き動かす、力強い存在となって小山青年会議所がさらに成長し、社会を牽引していく団体となると確信しています。
一年間どうぞ宜しくお願いします。